ハイラノ

私が志望大学を変更した事を彼が知ったのは合宿での事。音駒の黒尾と話していたのを聞いてしまったようで…。

黒尾「お前、あそこの大学狙ってるのか」

〇〇「まあ、中々厳しいけどね」

黒尾「まあ、俺も同じ所受けるけど。あ、学部は勿論違うぞ。あの大学、微妙に偏差値低い学部あるじゃん？そこ」

〇〇「へー…まぁ、無理だとは思うけど合格出来たら、こっち暮らしだから何かあったら連絡する」

黒尾「ツッキーに睨まれるじゃん。あれ、心痛くなるから」

そんな会話を聞いていた月島。

彼が恐れているのは、彼女が東京に行って自分以外の人間を好きになってしまうのではないかという事。しかも、その相手は黒尾になるんではないかと…。

何かあっても届かない距離にいる自分よりも近くにいる人間に揺れてしまう。それが怖くて…誰よりも応援したいという気持ちが劣ってしまった。