死人に口なし
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美羽は呆然と立ったまま。
月詠は、煙管をふかしながら壁にもたれると、目を閉じて周りの静けさの中に耳を澄ました
“死人に口なし”
美羽を追い出した奴らを責め立てる事も、無論この犯人が誰か問い詰める事も、不可能である
…こうなってくると事情はかなり変わる
いや、そこまで変わらないか。
美羽が原因だということの裏付けがとれただけ。
雲の隙間から太陽が顔を覗かせる
美羽は明るく照らし出された
それと同時に、暗い影もくっきりと浮かび上がった
「なんで…この人達が…」
やっぱり私は居てはいけない存在なの?
私がいると、皆不幸になってしまうの?
不幸を受け止めるなんてやっぱり無理だよ…
せっかく真っ暗な地下から抜け出して、日の光を浴びれたのに…
やっと…
「太陽を拝めたのに…」
これは単なる偶然?
それとも奇跡なの?
ねぇ…
「誰か…教えて…」
名無しさん