ワンBース
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信じるな
コイツの言葉を
裏切られても傷付かないようにと弱い俺がとった人との距離
「…鰐野郎?」
不機嫌そうな声が上から降ってくる。抱き寄せられ、相手の体温と…香水の匂いに体がピクンと揺れた。
「……鰐野郎、」
今度は心配でもしてるかのような声色だ。抱き締められ相手の鼓動が聞こえた。安心する。ス、と擦り寄った瞬間今度は相手のでかい体が少し揺れた。驚いてるのだろう、俺だって未だに信じられない。
髪をすく相手の手付きは嫌いではなかった。壊れるものを扱うような、優しさは好きではなかったが。
「愛してる」
上から降る声は、良い低音で聞いていて心地良かった。いつものふざけたソレとは大違いだ。
「愛してるんだぜ、鰐野郎」
繰り返されるその言葉に、返す言葉も見つからず目を閉じるだけだった。
名無しさん