イ/ナズマ文庫
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「はるか、絶対豪炎寺さん見つけて帰ろうね!」
「うん。絶対いるから!」
そう断言してから、はっと気づいたような表情になって小さい声で付け加える。
「私、信じてるから…」
「…私も、信じてる」
船上で思ったことが蘇る。
はるか…いや豪炎寺さんも一緒なのかな…は私に隠し事をしているみたいだ。
「よし、じゃあ早速捜索開始だぁぁーっ!」
キャプテンが声を張り上げる。
「おぉーっ!!」
みんなも拳を挙げて応える。
「星羅、一緒に行こ?」
士郎くんが私の右腕を掴む。
「星羅、行こう」
ほとんど同時に一之瀬さんが左腕を引っ張ってくる。
「星羅ーっ!一緒に探そ…」
勇くんも遠くから声をかけてきたが、私の状況を見て固まる。
「あ、あのぉ~」
腕、ちぎれそうなんですけど。
「星羅、僕と行くよね?」
「んなっ、星羅は俺と行く。だよね?」
「星羅…一緒に…行こう?」