イ/ナズマ文庫
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大海原ボールで試合開始。
するといきなり、大海原の選手はリズムをとるように、ボールをリフティングしたり、ヘディングをしたり、はたまたボールを額にのっけたりと、でたらめなパフォーマンスを始めた。
確かにノリノリだが、そんなんじゃボールとられちゃうんじゃないのかな…?
「Yeaaaah!!」
一つ一つのパフォーマンスが決まるたび、みんなはノリノリで笑いあう。
「な、なんていうか…独特…」
塔子がすっかり気勢を削がれた様子で言う。
「確かに…こんなの初めて…」
私も同意する。
他のメンバーも心なしか呆然としているように思えた。
「取り敢えず、ボール…」
私が呟くと、やっと塔子の目に光が戻った。
一之瀬さんや、士郎くんも目に光を宿す。
「オッケー、任せて!」
塔子がすっと前に出たのと引き換えに、私は少し後ろへ下がった。