イ/ナズマ文庫
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勇くんも士郎くんも、そしてキャプテンをも押し退けて鬼道さんの元へ突き進む。
「鬼道さん!」
「星羅か。どうした?」
私が息を整える間、鬼道さんは何も言わずに、しかし好奇心をありったけ湛えた目でこちらを見ている…気がした。
ゴーグル越しには瞳は見えないから想像だけど。
「あのですね、とってもぶっ飛んだ仮説なんですけど、話して良いですか?」
「もちろんだ」
「…たぶんなんですけど、あのMFはリズムで私たちのチャージをかわしてます」
「リズムで…?そんなことが可能なのか?」
私は正直に首を振った。
「わかりません。でも、そうと考えればつじつまがあいませんか?」
鬼道さんが尚も首を傾げているので、私はそれ以上の説得を諦めて、最後に言った。
「鬼道さんが自分で確かめてみてください。私は天才じゃないんでわからないです。…百聞は一見にしかず、ですから」