イ/ナズマ文庫
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―後半開始―
音村のことは鬼道さんに任せて私は前線にあがった。
大海原中の選手は相変わらずノリノリのリズムサッカー。
対する雷門には焦りが見え始めていた。
一之瀬さんがチャージしにいったとき、音村の口が動く。
それを見た鬼道さんがニヤリとわらった。
「なるほど、星羅の言う通りだな」
そして、一之瀬さんやリカや塔子に話しかける。
「チャージやスライディング、それから抜くときに、タイミングをずらせ」
怪訝そうな顔をする三人に、鬼道さんが簡単な説明をした。
「音村は、お前達がチャージをしたりする一瞬のうちにそのリズムを割り出し、味方に伝えているんだ」
「そんなこと可能なのか?一瞬でリズムを割り出すなんて」
塔子が呟くと、鬼道さんは音村の方を見た。
その視線を見て、一之瀬さんが頷いた。
「大海原中一のノリノリ男だって綱海が言ってたもんな」
「あぁ」