イ/ナズマ文庫
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「二度とサッカーができなくなる…か」
鬼道が黙って頷く。一之瀬も表情が強張っている。
「とにかく、佐久間にシュートをうたせるな」
鬼道が俯いたまま言う。
星羅が力強く頷いた。
「わかりました」
かくして、雷門ボールで試合再開。
佐久間には、星羅と一之瀬ががっちりマークについている。
この反撃で同点に追いつきたい俺達は、一気に帝国陣内へ駆け上がった。
止めようと上がってきたDFに不動が意味ありげにニヤリと笑った。
「道をあけろ。シュートは源田が止める」
二人は特に不服そうな顔もせずに、あっさりとシュートコースをあけた。
「なんなんだよ、気持ち悪いなぁ…」
佐久間のマークを土門と栗松に任せて前線へ上がってきた星羅がぼそりと呟く。
ほぼ同時に、鬼道も不穏な呟きを漏らした。
「まさかあいつら…あれをやるつもりじゃ…?」