イ/ナズマ文庫
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気味は悪いが、絶好のシュートチャンスだ。
「一之瀬さん、打って!」
星羅が一之瀬にパスをする。
一之瀬が、渾身の力を込めてシュートを放った。
"スピニングシュート"
すると、それを見て、源田がニヤリと笑った。
"ビーストファング"
「あぁ、やっぱり…」
鬼道の口からため息に近い声が漏れる。
その声を聞き付けた俺と星羅が同時に問い掛けた。
「あれも、禁断の…?」
「あぁ、そうだ。」
見てれば大体わかる。
ボールを止めた後、源田は一瞬だけ満足げにニヤリとして、それから地面に突っ伏してしまった。
「あれも、三回やったら…」
星羅が恐ろしげに呟く。
「あぁ…」
鬼道も声が掠れて続きが言えない。
「だけど、シュートを打たないのは無理じゃないですか?だって、打たなきゃ負けちゃいますよ!」
星羅が顔を強張らせて俺の方を向きながら、言った。
確かに、その通りだ。