イ/ナズマ文庫
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染岡が舌打ちする。
シュートを打とうにも、真っ正面すぎる。確実にビーストファングの餌食だ。
しばし、迷ったのち染岡はちらりと右サイドを見たように思えた。
そう、少なくとも、俺にはそう見えたし、気づいていて欲しかった。
吹雪が、そちらに走り込んでいることに。
星羅が気づいたのか、俺を見て口を動かす。
「風丸さん、あれ…」
俺は黙って人差し指を立て、口の前に持っていった。
星羅が俺の考えを察してか、口をつぐむ。
そして、微かに頷くと可愛らしいウインクを残して俺の視界から消え去った。
俺は星羅を追いそうになる目をなんとか染岡に戻す。
ちょうど染岡がワイバーンクラッシュを放ったところだった。
気づいていた。良かった。
ワイバーンクラッシュは、源田の目の前に飛んでいくと見せかけて、右サイドの吹雪の元へ飛んでいった。
"エターナルブリザード"
見事な連携プレーだ。