イ/ナズマ文庫
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「星羅が!?…そんなこと…」
一之瀬が声をあげた。そんなこと信じられないと顔が言っている。
「本当なんだ。本当に…」
「仲間に、裏切られた…?」
黙って頷く円堂。やるせない思いが顔中に広がっている。
そこへ、不動がひょっこりと顔を出した。
「おいおい、何やってんだぁ?試合再開するぜ?」
「不動、今、それどころじゃないんだ」
声が震えて、情けない。
俺は星羅の肩をつかんでいる手に力をいれた。
「はぁ!?なんで…」
言葉が途切れた。そして、目を真ん丸にして星羅を見つめる。
「…なんだよ、これだけかよ。派手に血でも流してんのかと思ったら…」
そして、つまらな気に首を振ると俺達にむかって、ぞんざいに言い放った。
「おい、試合再開だ」
「…てめぇ、何見てんだよ…。試合してる場合かよっ!?」
吹雪が不動の胸ぐらを掴んで、強く揺さぶった。