イ/ナズマ文庫
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「星羅の…ことだから」
半田君がそう臆面もなく言ったところで、僕は話しに割り込んだ。
「あの…さ、星羅。僕のこと、紹介してよ」
その言葉に、一瞬にして半田君が凍りつく。
そんな彼の心情など露知らず。星羅は元気を取り戻し、なんの屈託もなく僕を紹介した。
「あ、そうか。真ちゃん、こちらが士郎くん。元白恋中のエースストライカーで、今は雷門イレブンの一員として一緒に全国を回ってるんだ」
「よろしくね」
よほど動揺していたのか僕が差し出した手に、半田君は数秒気づかなかった。
「よ、よろしく」
慌てて手を握り返してくる半田君。敵意むきだしだな。
「やだぁ、真ちゃんったらなんでそんなに怖い顔してんの」
星羅が半田君の肩を叩く。
「いや、だって、士郎くんって吹雪士郎だろ?」
「うん、そうだよ」
「…星羅、ちょっと来い」
半田君が星羅を引きずって壁際に移動する。