東方二次創作！
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【ズッパの味】
山に暮らす民にとって、天狗は山の神様そのものである。山の民は、天狗様を『狗賓様』と呼ぶ。最大級の尊称である。
その天狗たちが『狗賓様』と呼ぶ天狗がいる。
すなわちは天狗の総大将である。
その狗賓様の右腕となって働く天狗がいる。
その名を、南祖坊天啓。烏天狗の若大将だ。
豪腕、切れ者、勇傑。二つ名を幾つも持っている凄腕だが、プライベートでは変わり者として知られている。その最たるモノが、人間の娘を嫁に迎えて女児までもうけたコトである。
射命丸文は、天啓との接点は全くない。
すれ違いざまに挨拶した事さえないのである。
(あの天啓殿より先に、その娘さんと飲食を共にするなんて面白いモノです)
巡り合わせの不思議に、微笑む文である。
そんな複雑な想いにふける文とは裏腹に、蓮子とメリーは呑ん気な会話を続けていた。
