黒ラノ
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本来なら観覧車に乗るには並ぶが今は人もまばらで○○たちは直ぐに観覧車に乗れた。
向かい合って座れば、山々の間に沈んでいく太陽が目に入り○○は目を細める。赤司の赤い髪がキラキラと輝く。
○○はその時、美しいってこの目の前のことを言うんだろなとぼんやり思った。男に向かって美しいなんておかしいかもしれないが、悔しいくらい赤司が美しいと○○は思った。
「綺麗」
「………だな」
「あたしは景色を言ってるわけじゃないよ?……本当、昔から征は綺麗。悔しいくらい綺麗で、恐ろしい位赤が似合う」
おもむろに○○が手を伸ばして、赤司の髪に触れる。パラパラと柔らかい髪はするりと○○の手から抜けていく。
「ねぇ、征」
「なんだい?」
「なんで貴方はあたしとの婚約を解消したの?」
続く
名無しさん