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ひょいと差し出され、まゆは一瞬戸惑ったが、すぐに理解しおずおずとそれを受け取った。

「ありがと…」
「あー。」

青峰は怠そうにそう答え、そこを後にしようとした。

その時だった。

グラッ…

「「!?」」

先ほどまでまゆが手を伸ばしていた棚が、グラついた。まゆはとっさにさっと頭を守った。青峰は棚を注視している。
棚はさらに傾き、二人の方へ倒れてきた。

「ひゃっ…!」

まゆは、襲い来るであろう痛みに目を瞑った。


「……あ、れ?」

ところが、いつまでたっても痛みが感じられない。恐る恐る目を開けると。

「ふー…あっぶねぇ…」
「青峰くん…え?」

青峰は、棚を片手で支えつつ、まゆを庇うように抱きかかえていたのだ。

「青峰くん!だ、大丈夫なの!?」
「あ?平気だよんなもん。よっ…と。」

青峰はまゆを抱きかかえたまま棚を元の位置に戻した。

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