出待ちのきんぎょ←
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またもや彼女の口から出た〝独り言〟は
無駄に広い部屋に響くことすら無かった。
葵「……」
まだ静けさの続く家。
彼女は1人。
それでも彼女が寂しそうな顔をしないのは
彼女は幼い頃に〝独り〟に〝慣れた〟から。
海外での研究が仕事の両親とは離れて暮らし始めて軽く10年以上は経っている。
会えない分は月に1枚の手紙で寂しさを埋めている。
両親は優しい、
だからこそ、寂しさを感じることすら申し訳なく思ってしまうのだ。
────────それに、
〝独り〟の彼女を支える存在がもう一つ。
ピーンポーン
その音に彼女の顔は今日一番明るくなる。
葵「…総悟!」
いません。
いません