#01
あるむside
目を開ければそこは薄暗く不気味で、でもどこか知っているような異質な部屋
そこに私は1人崩れ落ちたように座り込んでいた
遠くからこちらへと来る足音がコツコツと響く
『あるむ…』
聞き慣れた声、そっと顔をあげれば見慣れた、悲しそうな顔をした彼の顔
『ぎ…ゆう…?』
疑問が沢山浮かぶ
聞こうと思い口を開いた途端彼は膝から崩れ落ちそっと私を抱きしめた
私は彼の震えるその肩を見ることしかできない
『ごめん…ごめん…』
顔は見えないものの悲しそうな声音で何度も謝ろうとする彼を慰めることも出来ずそっと手を背中に回し抱きしめ返すしかできない
『だい、じょうぶ…大丈夫…』
どうしたらいいか分からずひたすら大丈夫と唱える
口数が少なく表情も淡々としている彼が見せる弱い部分に少し戸惑う
耳のすぐ側から彼の吐息と声が聞こえる
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最後まで読んでいただければ有難いです 主に夢女子様に向けて文字を書いております Twitterに出没しがちです Twitterでは自分...