沖神
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沖「どんなに必死で探しても、やっぱ一回手を離しちまったもんは見つかんねーって思ってた。そしたら…」
沖田は片手をあげてみせた。
沖「答えがあった」
彼が手にしているのはワタシのノートだ。さっき17歳の沖田の席に置いてきた。
沖「ここで会った時から、おめぇの言うことだけは信じてる。それだけはずっと変わんねぇ」
沖田は口角を上げて笑った。胸がいっぱいになってうまく言葉が出ない。やっと出てきたのは、とても幼い一言だった。
神「…バカ…バカ沖田ぁ!!」
まるであの頃みたいに叫んで、彼の胸に飛び込む。
神「本当は後悔したネ。たくさん、たくさん」
出会わなければよかったとさえ思った。沖田の顔も、声も、何も知らなければよかったって。自然に懐かしむことも、上手に手放すこともできなくて、優しい人を傷つけた。
次回、最終回です…