no title
「なんで私なの」
「ただ気になるからってだけじゃだめかな?」
「いいんじゃない」
「その何もかもどーでもよさそうな顔が俺の気を引くんだよね」
スルリと制服のネクタイに手をかける
今更だれとしようと何とも思わない。そう思うようになったのは好きで好きで仕方なかったアイツのせい
『本当に俺のこと好きならコイツとヤってみてよ』
あの頃の私はアイツしか見えなくて、そんなこと屁でもなかった。それなのにアイツは意図も簡単に私を捨てたんだ──…
「──紗ちゃん」
目の前の及川に意識を戻せば私の瞳から涙が零れていて、隠すように顔を覆った
「なに」
「オレ紗ちゃんのこと本気になっちゃった」
「なにそれ」
「手に入れてもいいんだよね?」
「好きにすれば」
できることなら誰でもいい、はやく私をココからだして
Fin
再 始 動 すきなもの = HQ / MHA / 蓮