甘い匂いと僕の初恋⑥
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その日は9月の下旬としては暖かくとても心地のよい風がはいってきた。
すると、カラ松は大きく息を吸い込んだ。
「ああ。いい匂いだ…」
カラ松は微笑みそういった。
僕がカラ松のその笑顔を見れて少し気持ちが明るくなった。
「家の庭からも甘い匂いがするんだよ」
「あっ、綺麗に咲いたのか!出来れば家の金木犀を見たかったなぁ…」
嬉しそうで、でもどこか寂しそうな顔で言った。
そしてカラ松は"見たかった"と過去形を使った。それはもう見ることも嗅ぐことも出来ないことを知っているかのように。
向日葵 低浮上
ただいま。 帰ってきたよ、また低浮上。