甘い匂いと僕の初恋⑨
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それから数日後カラ松はこの世を去った。
葬式は金木犀の花が近くで咲く場所で行われた。
そうして今、
カラ松がいなくなってから4度目の金木犀だ。
金木犀の匂いを嗅ぐだけであいつを思い出して泣いてしまう。
僕は毎年のようにお世話をして満開になったときに小さな手紙を書いて燃やした。
拝啓 松野カラ松へ
今年で4度目のですね。
この手紙も4度目のでしょう。
今年も綺麗なオレンジ色をつけ甘い匂いがします。
安心してください。
僕がちゃんとお世話するから。
またこの季節がきたら手紙を書きます。
この季節が何度かきたら僕もそっちにいきます。
だからひとりで歌でもつくって歌ってろ。
それではまた。
一松
向日葵 低浮上
ただいま。 帰ってきたよ、また低浮上。