君ノ声番外編9
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「……はい、そこまで」
聞き覚えのある声に、ふわ、と懐かしい匂い。
手を引かれ、その場から立ち去った。
黄瀬side
爽っちの姿を見つけ、そのまま腕を引いて歩き続ける。
「き、きーくん?あの、どこに……」
人気が無くなってきた所で足を止めた。
振り向いて、戸惑っている彼女を腕の中に閉じ込める。
「!?」
「もー!心配させないでほしいっス!」
「ご、ごめん……」
また身を縮める彼女の頭を優しく撫でる。
「……オレは職業柄、周りに女の子は沢山いるけど……好きなのは爽っちだけっスから」
「!……うん」
腕の中で小さく頷いたのを確認し、わしゃわしゃと髪を梳いた。
名無しさん