君ノ声番外編12
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「ユキさん、ピアノ弾いていい?」
「いいよ!準備するね」
ユキさんが壁に寄せてあるピアノを準備する。
その間に、爽っちがオレの近くに寄ってきた。
「きーくんごめんね?無理言って……」
「いいんスよ!……爽っちの夢、聞かせてくれるんでしょ?」
「うん……」
少し俯いた彼女は、ひとつひとつ、宝物を扱うように言葉を紡いでいった。
「私ね、保母さんになりたいの。普通のじゃなくて、ここにいる子達みたいな子供のための。ユキさんみたいに……」
初めて人に話したよ、と頬を染めて微笑む。
「いい夢っスね。爽っちならなれるっスよ、きっと」
「……ありがとう」
名無しさん