第2話 視線の先
投稿日:
957
0
8
1
入学式が終わり
教室に戻る間に、入学式用に整えた制服を一気に崩した
リボンを緩めてボタンを開け、スカートを折る
もう3年目なだけあって、手慣れたものだった
そして、ホームルームも終わり
用事のない生徒たちは次々に玄関へと向かっていった
わたしは人混みが苦手なので
玄関のざわつきがある程度落ち着くまで
4階にある生徒会室で待つことにした
ふと窓の外を見ると
早速友達を作ったと思われるやつらが仲良く話していたり
家族が玄関で自分の子供を探している様子が目に入った
ただただ呆然とその人の流れを見ていると
柄の悪い男子生徒がひとり、玄関から出てきた
「やっぱ今年もそぉゆう人いるんだぁ」
と思っていると、
その男子生徒は立ち止まり、振り返って上を見た
わたしはその男子生徒とばっちり目が合ってしまった