第3話 時の流れ
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その人の目は、なんだか自分に似ていて
心に闇を抱えているんじゃないかと思った
目が合った数秒間、
時が止まったように感じた
すると、その男子生徒は向きを変え
玄関の前でやっている部活の勧誘を全てスルーし
校門を出ていき
やがて…見えなくなった
ふと我に返ると
あの整った顔立ちと鋭い目付きに
見覚えがある気がした
記憶を辿っていくと
「入学生代表の人…?」
そう気付いた
しかし、入学式の時のあの人と
さっきの人の格好があまりにも違いすぎて
自分でも信じられなかった
しばらく考え事をしていると
1時間以上経過していることに気付き
わたしはバイトがあったので
慌てて玄関に向かい
バイト先であるファミリーレストランへと自転車をこいでいった