第157話 崩れ落ちた…
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拓都が指差した先には
今にも倒れそうになりながら
ふらふらと壁をつたって歩いている
彪絆の姿があった
絵「彪絆…」
拓都のことはどうでもよかったので
彪絆のところへと走り出そうとしたその時
目の前の彪絆が
膝から一気に崩れ落ちた…
絵「彪絆!」
とっくに涙も吹き飛んでいたため
全速力で駆け寄り
彪絆の体を支えるようにして腕を掴んだ
すると…
彪「…触ん…な」
絵「え…」
弱々しい力ではあったものの
彪絆に腕を払われた…
拓都は自力で歩けるらしく
柊夜と一緒にわたしたちの所まで歩いて来て
彪絆の方を見て、何故か軽くお辞儀をし
昇降口へと向かって行った
柊夜はすぐに彪絆のもとへ駆け寄り
体を少し起き上げて支えた
柊「やばいな…意識飛びそぉんなってっし…」
彪「うっ…」
絵「わたし…どぉしたらいい…?」
柊「とりあえず…救急…」
彪「帰…れ…」