りぼめる
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○○はチビチビとコーヒーを飲みながら、自分の格好を見る。当然ながら着ていたドレスのままで、クリーニングに出さないととぼんやり思った。
舌に広がる苦味が○○の思考をクリアにしていく。
「ディーノ」
「なんだ?」
ディーノはベッドサイドに腰をおろしコーヒーを飲む。○○もつられてコーヒーを飲む。苦味が広がり、それが○○にこれが現実だとつきつけている。
「……もう。やめよっか。こんな茶番」
「○○……」
「それがあたしと貴方の為よ。……いつか、嘘はバレてしまう。」
「……」
「だから、ね?ディーノ……やめよっか。」
ニコリと笑う。
揺らめく瞳に写る自分はいつものように笑っていて、ディーノはゆっくり目を瞑り、そして目を開けた。
続く
名無しさん