Close yet far…15
私の不自然な行動に首をかしげる山本と、笑いを堪えようと小刻みに震える友達がさっきより憎く感じた。
ボウリングは1ゲームで終わり、男子の1位は山本、女子の1位は私だった。
賞品としてカッパえびせんを貰ったが賞品にしてはショボすぎるし、今からクラスメイトの親が経営する喫茶店に行くのにカッパえびせんは邪魔である。
「やったな」
私に笑いかける山本はカッパえびせんで嬉しいらしい。
山本の笑顔が眩しくて目を細めると、山本が私の頭へ手を伸ばしていた。
ポスッ
私の頭に付けられたのは山本の耳あてだった。
「今日はさみーからな。ゆうやの耳赤くなってっからこれでも付けとけ」
返そうとしても山本は受け取ってくれなかった。
「いいから」と笑うだけで、私はその笑顔がさっきよりも眩しくて
「ありがとう」
素っ気なくただそれだけを言って山本から目を
逸らした。
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行方不明になっていましたがようやく復活しました。 しばらくは夢小説メインで活動して、シリーズが完結し次第、夢小説のアルバムは削除しよ...