黒執事 夢小説二話
投稿日:
2027
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「平和なのは良いことではありませんか」
完璧な笑顔でそう言うセバスチャンに、シエルは胡散臭げに眉を寄せた。
「僕が復讐を忘れ、ただのうのうと生きていけば良いと言っているのか…? 平和に塗れた魂を、お前は喰らいたいと?」
――お前はそんなもの望んでいないだろう。
セバスチャンは指を唇に当て、クスリと笑いながらシエルに近付いた。
「おや、まるで私好みになろうとして下さっているようですね。嬉しいです」
にっこりと笑ったセバスチャンの言葉に、シエルは顔を紅く染め、バン! と机を叩きながら立ち上がった。
「ふざけるな! 平和ボケした魂を喰らいたく無いからと契約を破棄されたら困るから言ってるんだ! 何で僕がお前の好みに合わせる必要があるんだ!!」
キッとセバスチャンを睨むが、顔が紅いせいで普段よりも幼く見えたシエルはセバスチャンにとっては面白い玩具でしかない。