誰にも渡さないから-No.6-
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黒子という男は、弥生の幼馴染みであり、元恋人だった。しかし、それも随分前の話だ。
別れを切り出したのは弥生の方だったらしい。黒子は特にしつこく別れを惜しむようなことはなく、黙って別れ話に頷いたらしい。
「これからは、幼馴染みとして接する」
これが二人の約束だった。
もともと仲が良かったこともあって、時々会うときはあった。
今回は久々に会ったということで、食事でもしようということなったらしい。
「......ということなんだけど。だから、征ちゃん安心して?」
弥生が僕の肩に手を置いて顔を覗き込む。
「............冗談じゃない」
僕の口から本心が漏れ出した。
霜月
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