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菜々李　Side


…


練習再開となってから、心なしか櫂と拓翔くんの様子が変わった気がした。

なんだか、鋭いというか。


「菜々李さんどうしたの？」

「え、…あ……ちょっと、気になったことが」

「なに？」



弾んだ声、笑顔で変わらず話しかけてくるのは野中さん。

視線はやっぱりどうしても、合わせるのはなかなか難しい。
自分から逸らしてしまう。



「…櫂と拓翔くんの様子が変だなって。」

「そう？」

「…うん、…特に櫂、」

「……さすが幼馴染だね」

「え、いや……ごめんなさい、」



謝らないでと、笑顔を振りまく野中さんだけれど。
どこか冷たい感じがして。


より、視線を落としてしまう。