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小説 またあした

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「______分かってるよ。病気と闘ってたら闘ってたで考えるけど、いなくなったらいなくなったでそのまま止まるよ……」
「だったら今から、」
「でも今は! ______聖月と涼のことしか考えたくないの……。考えられないの……」
一粒の滴がエリの頬を伝った。そのままなん粒もなん粒も流れ落ちて、やがて手だけでは拭ききれなくなった。
諦めて顔を覆うだけにしたエリを、翔はそっと寄り添って抱き締めた。性格とは結びつかない、自分の肩ほどにしか満たない身長に、やっぱり女性なんだと痛感しながら、少しずつ力を込める。
「ごめん」
責め立てたつもりはないが、翔の言葉がエリの心情を具体化させて、涙をこみ上げさせてしまった。
「忘れてもらっていいから」
「……ごめん」
お互い無言で感じたタイミングで体を放した。
「本当ごめん」

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