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小説 短編 言いたくて、言えなくて。

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「(ああ、これは。)」

彼が何もかも分かっていると悟った。
2年遅く生まれた私の意図するところなどお見通しなのだ。

「………主様、申し訳ありません。」

言いたくても言えなかったあの言葉を、彼が待っている。それは夢のようにも幻のようにも見えた。彼が私の言葉に対してどうするかはわからない。でも、言いたかった。言わせて欲しかった。

ずっとずっと、この時を待ち望んでいた。

「…ユキ。」
「…好きです。好きだから邪魔したのです。」

申し訳ありませんともう一度伝える。まつ毛が触れそうなその距離で見つめ合う。
声を発したことにより吐息を感じ、唇が触れるか触れないかのところで動く。
胸がずっと痛くて苦しくて、うるさい。

「……はぁ、やーーっと言ったよ。」

にんまりとわらう。
ずるい。ずるい。

「俺もだよ」

ほんとに、ずるい。

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