あの頃のまま。45
「莉佳っ!早く!」
あたしがドアを開けると、せりが急かすようにあたしに言った。
「ケーキジャンケン!」
「勝った人から好きな部分貰えるんだってさ」
付け足すように修と哀斗が言った。
「あたし、フルーツたくさんのとこがいいっ!」
「だーからジャンケンだって!」
はしゃぐあたしにせりは突っ込む。
せっかくだし、楽しまなくっちゃ!
「楽しかったね~♩」
せりと帰り道。
「そうだね。またやりたいなー!」
「…あのさ…」
せりが落ち着いたように口を開く。
「黒木くんと何かあったの?」
せりは優しいから心配してくれてたみたい。
あたしは花火大会からさっきまでの出来事を簡単に説明した。
「この短期間で色々あったんだね」
あたしはせりの言葉に答えることが出来なかった。
「…そういうことか」
あたしはせりのその言葉の意味が出来ないまま、この夏が終わった。
たまに更新します🙌 ※ペア画の受付は現在しておりません 恋愛小説書いています。 まだまだ下手ですが、読んでいただけたら光栄です。 あの...