少女の業 月影side.1
〜迷いの森にて〜
しんと静まり返った森の中…納刀の音と硝子の砕ける音だけが、幾度も響いていた
「…森の空気が戻った様ですね。恐らく、これで最後…」
砕け散り消えていく結界の破片をじっと見つめながら、ポツリと呟く
「…天月様も、何か手掛かりを掴めていれば良いのですが…。それに、妖の国の事も気になりますね。以前よりも、空気が冷たくなっている…」
時折強く吹き荒れる突風、まるで猛吹雪の様に冷たく感じる
「…状況把握がてら、まずは妖の国から向かうとしましょうか」
こんな状況だ、天月様も妖の国へ足を運んでいる可能性が高いだろう
そんな事を考えながら、妖の国へ向かうべく踵を返した時だった
目の前に、たった今思い浮かべていた人物が立っているではないか
…はは、これはまるで……
「月影、調子はどうだ?」
「天月様…今し方終わった所です。これから各国へ様子を見に行こうとしていた所なのですがね…」
*フォローする前に一読お願いします* 浮上率不安定(現在平日はかなり低浮上) 投稿したりしなかったりが激しく、コメ返もコメ回りもすぐ出...