少女の業 イリアside.2
〜妖の国山頂にて〜
「はぁ……はぁ…っ…ここまで、来れば…」
山頂までどうにか上り詰め、一際大きな木の枝の上から鬼の様子を伺う
どうやら、ここまで上手く引きつけられたようだとホッと胸を撫で下ろした
最初こそ猛吹雪で視界が悪い所の騒ぎではなかったが…気付けば猛吹雪は止んでおり、代わりに辺りが氷に包まれていた
私の立っている木の枝も…その先の葉も、地面に生える草花や、血に落ちた枯葉さえも
全てが凍て付くされた…まるで氷の世界
キラキラと降り注ぐのは、雪ではなく…氷のかけら、だろうか…?
「…不思議な空間、だな…まるで異世界に来たみたいだ…」
不謹慎な事を考えている自覚はあるが…これは、なかなか美しい光景だと思う
しかし、市街地までこうなってしまっていたら…と、ゾッとする
まぁ、私の役目はここまでだろう
私一人では、彼女を止めることなど到底出来ない…おそらく返り討ちに遭うだけだ
*フォローする前に一読お願いします* 浮上率不安定(現在平日はかなり低浮上) 投稿したりしなかったりが激しく、コメ返もコメ回りもすぐ出...