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食指を唆られ扉を開く。落ち着いた店内、流れる緩やかな音楽。雰囲気は悪くない。…思い出の店に似たバーだ。

カウンターに座ろうとして、はたと気付く。
見知った背中が、カウンターの隅で伏していた。


「…与謝野、先生?」

「……」


僅かに見える耳は朱に染まり、乱れた服や姿勢からも彼女が既に相当酔っている事が見て取れる。

彼女は探偵社の中でも可也の酒豪だ。実際私も彼女がここまで酔った様子を見たことなどない。

…理由は明確だったが。


「お隣、宜しいですか?」


彼女は顔を上げることなく手を振った。
それを了承と捉えて席に着く。


「…だざい」


掠れた声で、先生は私の名を呼んだ。
胸の奥が軋む。痛みと、甘さに。

私とて辛いのだ。久々の感覚でもあったが…何より苦しい。想い人が、苦しんでいる姿が。


「…妾の事が嫌いなのかねェ…」


追っても追っても、妾の手から逃げていく。

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