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月を仰ぎ見る。青白く煌めく月光に想いを馳せる
___彼は今、何をしているのだろうか。
時刻は夜。未だ喧騒の残る街からは少し離れた、陰気な路地裏に自らの足音が響く。今日の任務は、なんてことの無いものだった。そんなことを考えながら。
ふと、視線を下ろす。言い様のない焦燥が突如胸を灼いた。何か、嫌なことが起きている、そんな予感。そんな自らの感覚を信じて、私は更に奥深くへと足を踏み入れた。
…この街の路地裏は、魔窟だと知りながら。
***
「龍!!」
思わず金切り声を上げる。それが悪手だと理解した時には、既に私は叫び終わっていた。視線が二つ、私を射抜く。
一人は、芥川龍之介。同じポートマフィアに所属する仲間。もう一人は…龍を幾度と苦しめた、武装探偵社の人虎。
実際相見えるのは初めてだ。
「澪、邪魔をするな」
龍が短く制する。
私は近づこうと踏み出した足を引っ込めた。
2021/01/26更新 【PROFILE (雑)】 名前 お好きなように(( 誕生日 8/1 青い鳥 @Ra_Bi_3 取説 チキンです🐔 ✼••┈┈┈┈••✼••┈┈┈┈••✼ 【諸連...