異世界コントラスト 40
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「考えてみてくだせェ。俺は七海を本気で愛しているんですぜィ?…それなのに…キスしたら、向こう側に消えちまうってことでさァ!!戻れることが、七海にとっては一番幸せなのかも知れない。だけど…俺は!!」
「それは心配いらないよ、沖田くん。」
「七海!?」
気が付くと、部屋に送ったはずの七海が立っていた。
「どうして…。」
「私も薄々、気が付いてたんだよ。狭間で、いろいろ考えたからね。向こう側まで行き着かなかったのは、額だったから。そんなこと考えてたの。」
七海の言葉は、容赦なく沖田の心を抉った。
「私、そのとき決めたの。」
(…やめてくだせェ。)
「何か、決心がついたから。」
(やめろ!)
「あと二週間で、帰り…ます。」
(やめろォォォ!!!)
言うなり泣きくずれた七海を、抱きかかえることしかできなかった。