夏淡ちゃんリクエスト
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「……銀さん…」
扉の向こうから、声だけが聞こえる。
多分、夏淡は泣いてる。
ガラッ
勢いよく扉を開ける。
できた隙間から、彼女がなだれ込んでくる。
理にかなって、自然に抱きしめる体勢になる。
「銀さん…ごめんね。私、あんなこと言ったのは、本当は…」
言いかけて、何か温かいものが唇に触れた。
「……銀さん…!?」
驚いて、目を見開く。
今までで一番近くに、銀さんの顔があった。
「…夏淡、ごめん」
真っ直ぐに見つめられて、顔が熱くなっていく。
大きな手は、私の頭の上に乗っかっていて。
「好きだ」
思わず、銀さんに抱きついた私がいた。
「…本当に…?」
「あぁ。本当だよ」
ぶっきらぼうに言う彼の顔は、私と同じくらい赤くなっていて。