白うさリクエスト
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「……分からないです先パイ」
「…じゃあ、もう一度最初からやってみようか」
にこやかな笑みとは裏腹に、有無を言わさぬ威圧感を放つ彼。
張り付けたような笑顔は、指先で触れただけで、ピシリと音を立てて割れてしまいそうだった。
ーーー怖いよぉ…!
夕暮れ時、スクエアテーブルの上の問題集と格闘すること約一時間。
どうしてこんなことに…!!
移動教室の後、廊下で私は、すれ違い様にプリントを落としてしまった。
自分が手を伸ばすより先に、拾い上げる手があって。
「…彩夏……。コレ、どういうことだい?」
彼の視界に映ったのは、35点の解答用紙で……。
「……仕方がないな。僕が追試までになんとかしよう。放課後君の家に寄るから、鍵は開けておくように」