【2】
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家路の最後の曲がり角に差し掛かった時、大きな陰が横切った。
角の家のイルミネーションが派手で、真っ昼間のように明るいため、より一層暗く見えた。
「……みどりん?!」
「…!?…なんだお前か」
吃驚したとき目を見開く癖は、まだそのままらしい。
「そのみどりんって呼び方なんとかならないのか?」
機嫌悪そうにそんなこと聞いてくるあたり、みどりんもくりぼっち。サラッとスルーして私も聞きたいことを訊く。
「みどりんは聖なる夜になにしてるの?」
「話を聞けお前は…。中学の頃から何も変わっていないのだな」
私も先程同じ様なことを考えていたので、なんとなくおかしくて小さく笑った。
「私さ、くりぼっちなんだよね。親も出張でさ?寂しくって駅のイルミネーション見に行ったんだけど、余計虚しくなって帰って来ちゃった」
はは、と笑いかけると、みどりんははぁー、と息を吐いた。白い。