Ep.4
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ざあぁっ…
と音を奏でて初夏の爽やかな風が木をゆすり、教室の中に吹き込んでくる
机に突っ伏していた俺のもとにもやってきて優しく包み込む
頬を撫でる風がくすぐったくて
夢から現実へと意識が戻ってくる
「あっれ…寝ちゃってた…?」
まわりを見渡すともう教室には誰も残っていなくて風が吹いているだけだった
「…起こしてくれればいいのに」
誰に言うでもなくぼそりと不満を呟いて席を立つ
…随分懐かしい夢だったな
さっきまで見ていた夢のことを思い出しながら鞄を持ち上げる
今更俺はあんなことを思い出して何がしたかったんだろう
と少し自嘲気味な笑みが顔に浮かぶ
「わかってるつもりなんだけどな…」
また独り言を呟くと足を廊下に向けた
RION
志望校無事合格しました! 皆様応援本当に有難うございます! フォロワー様、コメやいいねを下さる方々… いつもありがとうございます(つД...