１

「ずっと隣にいたいな…」
「うん。俺も。」
中学２年の時、私は幸せの絶頂だった。

ねぇ、今君はどこにいるの？

心地いい春の風が当たる窓辺。
今日も私は彼のことを考える。

『山上直樹』

私の大切な人…だった人。

世界で１番大好きだった人。

彼がいなくなってから、もう３年と少し経つ。

「じゃあここ。千草さん。」
「…あ、はい！」

先生に指名され、音を立てて席を立つ。
…分かんない。
話聞いてなかったな…

「すみません！分かんないでーす！」
いつものようにおどけて言うと、教室中に広がる笑いと、先生の苦笑。

「もういい。ちゃんと話聞いてな！」
「はぁーい…ごめんなさぁーい」

授業なんか、特に彼を思い出す。

隣の席にいた、彼のこと。

また、会う日は来るのかな。

どんな顔をなってる？
背は伸びた？
友達はいる？
独りになってない？

…まだ、私のこと覚えてる？