27
もやもやしたまま1日が過ぎ、放課後。
「夕佳、部活いこ!」
『うん、ちょっと待ってね』
教科書やノートをカバンにしまう。
『よし、おっけ!行こっか!』
カバンを持って朝香に笑みを向けた。
二人で教室を出ようとすると、ちょうど廊下から誰かが入ってきたようで、私は肩がぶつかってしまった。
「きゃあ!」
相手が甲高く悲鳴をあげてよろめいた。私は朝香が支えてくれたので転びはしなかったけど。
慌てて相手を振り返り手を差し出した。すると…
私の手は払いのけられた。
「衛輔~」
私がぶつかった相手は彼氏の名前を呼んだ。…姫宮さんだった。
私は心が一気に冷えていくような感覚に陥った。
そして、まだ床に座ったままの彼女に、静かに言葉を落とした。
『ぶつかってごめんなさい』
軽く頭を下げると、早々に教室をでた。
姫宮さんに関わるとろくなことがない、と学んだから。
受験が終わったので戻って参りました。 ふたたびよろしくお願いします。 アイコンはシオさんに描いていただきました!! ※腐&夢 女子...