図書館の君が。黒猫な君が。30
そんなはずはない。
と、思考が停止している俺を見て、研磨がじれったそう言った。
「──クロ、早く行って。」
何処に。と聞く前に研磨は俺の背中に回り込んでぐいぐいと押していた。
「おい研磨!行くって何処に──」
「彼女のところ。図書館だよ。」
彼女と俺が初めて出会った場所。
今日も彼女は本に囲まれているのだろうか。
「分かった!自分で歩くから!」
研磨の強引さに諦めて俺は図書館に行く事にした。
正直言ってかなり乗り気ではない。
誤解とはいえ、1回フッた相手だし。
もしかしたら、俺を見たら逃げ出すかもしれないし。
でも、心の奥ではもしかして、なんて淡い期待を抱いている自分がいる。
根拠は彼女の証言だけ。
それも証明するには価しない───
その時、黒尾の頭によぎった記憶。
「.......ミサンガ。」
彼女の太陽な笑顔と重なる。
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