図書館の君が。黒猫な君が。31
図書館のドアを勢いよく開けると、中にいた人物が肩をびくっと震わせた。
「く...黒尾さん?」
怯えながらも確かに俺の名前を呼んだ。
走ってきたために途切れ途切れな息を整えて図書館の中に入ると、彼女は慌てて本を閉じた。
「何の用...ですか。」
俺を見る目が少しきつくなったように感じたが、それも全部俺が彼女に嘘をついていたからだろう。彼女はただ真っ直ぐに俺を見ていただけなのに。
「______やっと思い出せた...。」
なのに、俺の胸は彼女を見て確かに高鳴っていた。
夏の暑い日の昼下がり。
駅のホームで困っていた俺を助けてくれた。
名前も、学校も知らない。
繋がりは唯一。
「.....その、ミサンガ。」
俺が彼女の腕についているミサンガを指さすと、まさかという風に彼女は驚いた顔をした。
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