no title
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パァン、と。
張りのあるトランペットと、飛び散ったクラッカーの音がけたたましく辺りに響いた。
とたん、勢い良く目に飛び込んだのは、純白。
黄色い歓声があがる。
「……。」
まるで、スローモーションのようだ。
何もかもがゆっくりと、コントロールされているかのような動き方をする。
心の整理はしてきたつもりだった。
それなのに、周囲から聞こえる「おめでとう!」の声が胸を刺/す。
結局は、“つもり”でしかなかったのだ。
今朝のオムレツが、そう教えてくれていたではないか。
自嘲的な笑みが浮かぶと共に、思わず、ため息のような声が漏れた。
「……エレン」