no title
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それから彼は俺の家で生活するようになった。
名前はエレン・イェーガー。
今更名前を知るなんて、不思議な気分だったが。
俺は仕事があったし、会話するのは部屋で顔を合わせた時くらい。
彼は自分の事を何も話そうとしなかったが、生活を共にしていれば分かる事もある。
朝は寝グセがひどい事。
卵料理が得意だという事。
コーヒーが好きで、そのためか歯が少し茶色い事。
寝グセは毎朝見るのが楽しみになっていたし、エレンがつくるオムレツもコーヒーも、材料は安物なのにすごく上手かった。
趣味でジムによく通っていたというから、休みの日には2人で汗をかきに行った。
毎朝ジョギングをかかさない俺につきあって、エレンは早起きして隣を歩いた。
全てが新鮮で、いつもの景色が少し違って見えて。
現状は決していいものではないのに、このまま続いていくような気がしていた。