あの頃のまま。36
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莉佳side
「もうすぐ花火始まるから近くに行く?」
隣の哀斗が聞いてくる。
「そうだね。その前にお手洗いに言ってもいい?」
「OK、俺はそこで待ってるよ」
「うん」
あたしは哀斗に返事をして歩き出す。
お手洗いの入口に入ってからリップを塗り直す。
『すっげぇ似合ってるよ』
哀斗に言われた言葉が頭に浮かぶ。
誤魔化す為に後ろを振り返ったけど、声が裏返ってたよね…
思い出すと胸が熱くなった。
「ふぅー…」
呼吸を整えて、哀斗の所へ向かった。
「お待たせ」
「この先、人が増えるから離れんなよ?」
哀斗が笑いながら、あたしにそう言った。
「じゃあ…」
あたしは哀斗のシャツの裾を軽く握った。
「…離すなよ」
哀斗はそれだけ言うと歩き出した。
みう
たまに更新します🙌 ※ペア画の受付は現在しておりません 恋愛小説書いています。 まだまだ下手ですが、読んでいただけたら光栄です。 あの...